みなさん、佐藤可士和さんをご存知でしょうか?日本屈指のクリエイターとして活躍されている方です。
「佐藤可士和の超整理術」「佐藤可士和の打ち合わせ」などその名前を冠した書籍も多くありますし、メディアへの露出も盛んなので知っている方も多いかもしれません。
個人的には、ユニクロや今治タオルのロゴを作った人という程度の知識しかなかったのですが、今回展覧会に行ってみてこれほどまでい多くの作品を手がけていらっしゃったのかと驚愕しました。私たちの暮らしの中で印象に残っているもののほとんどに可士和さんが関わっているのでは?と思えるほどです。
今回は、佐藤可士和展に行ってみた感想をご紹介します。もしよければご覧ください。
佐藤可士和さんについて
まずは佐藤可士和さんのプロフィールを展覧会公式サイトから引用しますね。
1965年東京生。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。株式会社博報堂を経て2000年独立。同年「SAMURAI」設立。ブランド戦略のトータルプロデューサーとして、コンセプトの構築からコミュニケーション計画の設計、ビジュアル開発まで、強力なクリエイティビティによる一気通貫した仕事は、多方面より高い評価を得ている。グローバル社会に新しい視点を提示する、日本を代表するクリエイター。
引用:佐藤可士和展 作家プロフィール
元々は広告の人なんですよね。美大を卒業後、博報堂に入社し、その後独立されています。
クリエイティブディレクターとは?
佐藤可士和さんの職業は、クリエイティブディレクター。いまいち何をする人なのかがわからないですよね。笑
ざっくりと言ってしまうと、企業の広告を手がける人です。ただし、佐藤可士和さんの場合はその内容は多岐にわたり、ペーパーからテレビコマーシャル、街頭広告、果ては店舗デザイン、さらには幼稚園や団地まであります。ここまで幅広く手がける方はそういないのではないでしょうか。こう書いてみても、唯一無二な方だなと感じます。
佐藤可士和展について
佐藤可士和展は、これまでに佐藤可士和さんが手がけたクリエイティブ作品を一挙に展示した展覧会です。六本木の国立新美術館にて2021年2月3日から4月24日まで開催されました(緊急事態宣言を受けて予定より期間を短縮されています)。
佐藤可士和さんは企業の広告やPR、ブランディングなどを手がける、いわば縁の下の力持ちといった仕事をされてきた方ですが、個人としての名前も有名な方だと思います。クライアントの本質を見抜き表現する力は国内でも指折りであり、その仕事術に多くのビジネスパーソンが刺激を受けています。
佐藤可士和さんの思考から生み出されたクリエイティブ作品がずらりと勢ぞろいする今回の展覧会、非常に見応えがありました。
記憶に残っているものの多くが佐藤可士和さんデザイン
日本に暮らす人で、佐藤可士和さんに間接的にでも関わっていない人ってほとんどいないのでは?と思ってしまうほどでした。今をときめく大手企業の裏には佐藤可士和の名あり、です。その一例をご紹介します。
- 今治タオル
- 楽天(ロゴ、楽天カードマン、お買い物パンダなど総合的に)
- セブンイレブンの商品パッケージ
- ユニクロのロゴ、店舗開発
- くら寿司
- ふじようちえん
- 横浜・洋光台団地(UR都市機構)
- 日清 カップヌードルミュージアム
- 国立新美術館のロゴ
展覧会を進むと「え、これも?あれ、それも?」と次から次へと見覚えのあるロゴやクリエイティブ作品が登場します。今の日本を生きる上で、むしろ佐藤可士和さんの影響を避けて通る方が難しいのではと思えてくるほどです。
じつは、展覧会の様子はyoutubeで公開されています。これで遠方の方も展覧会の雰囲気を味わうことができますよ。気になっている方はもしよければ見てみてください。
佐藤可士和さん自身の音声案内が良かった
展覧会ではイヤホンでご自身の肉声を聴きながら展覧会を巡回できます。これが個人的には良かったですね。これまでに手がけられた作品を目の前に見ながら、耳でその作品にまつわるエピソードを聞けます。
例えば、ユニクロのロゴに関しては、佐藤可士和さんは、まず柳井社長に「ユニクロの発祥が日本であることは出していきたいですか?」と質問したそうです。なぜなら、アイコンを作る際に企業の発祥を意識するかどうかは非常に深く関係があるからとおっしゃっていました。柳井さんの回答は、日本であることを発信したいというものでした。そこで、日本にしかない独自の言語体系であるカタカナでロゴを作ったそうです。
私たちは出来上がった作品しか知らないので、完成品に至るまでの思考を知ることはほとんどありません。ユニクロのロゴに関しても、表面だけをさらりとなぞれば、特異なことは感じにくいですよね。ユニクロという文字をそのままカッコよくしただけのような気がします。しかし、そこに至るまでには膨大な思考が張り巡らされているのだと音声案内で知ることができました。だからこそ、すごく貴重な機会だったように思います。
中でも個人的に印象的だったのが直線のお話。可士和さんの展覧会のアイコンともなっている直線のデザインがあるのですが、この作品にまつわる話の中で「僕は昔から直線に憧れていた。それは自然界には決してないものだから。」という一言が出てきます。みなさんは、直線に対して何かを感じることってありますか?私自身は、特に意識すらしたことがありませんでした。佐藤可士和さんの目を通して見ると、この世界はまるで違うものに見えるのかもしれません。
まとめ
佐藤可士和さんのクリエイティブ作品を直に見て回り、作品に関するエピソードを耳で聞くことで、かなり刺激になったように思います。思考のプロセスを辿れたことも非常に面白かったです。
佐藤可士和さんがすごいなと思うのが、膨大な量の抽象的な概念を整理し、洗練し、形にすること。珠玉混合の情報を、結びつけまとめ切り離し、その本質を探っていくところです。頭の中でどんな風に整理しているんだろう?と本当に興味深いです。
雑誌Casa BRUTUS で事務所の写真が掲載されていたんですが、本当にここで打ち合わせしてるの?と思ってしまうほど、洗練されていて整理された空間なんです。
この整然さ、すごいですよね。ここまで整理できたら気持ちいいだろうなと思います。そんな佐藤可士和さんの思考や情報、空間の整理術について書いている書籍のリンクを貼っておきます。もし気になった方がいたら詳細を確認してみてください。
それでは最後までご覧いただきありがとうございました。この記事がどなたかの役にたてば嬉しいです。
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