ユヴァル・ノア・ハラリ著ホモ・デウスより「無用者階級」概要-21世紀の新労働者階級

こんにちはWebライターの里佳です。今回、取り上げるのは、ユヴァル・ノア・ハラリ先生の著書『ホモ・デウス』。これまでの人類史を振り返り、これからの人類はどのように発展していくのかということを述べるという内容の本です。

この本の中で、21世紀の新しい労働者階級という構想がありました。未来の人類には「働きたくても働けない階層」が出てくるというのです。

ユヴァル・ノア・ハラリ先生が「無用者階級」と名付けた、この新しい人類の階層について今回は掘り下げてみます。

ユヴァル・ノア・ハラリ著『ホモ・デウス』とは

ユヴァル・ノア・ハラリ先生は、イスラエルの歴史学者。7万年に及ぶ人類の歴史を語った『サピエンス全史』という著書が世界的ベストセラーとなりました。

『ホモ・デウス』は『サピエンス全史』をさらに発展させた内容で、続編のようにも言われています。テクノロジーという武器を手に入れた人類の未来を描くものです。上下巻に分かれており、かなりボリューミィ。ゴリゴリの洋書ですね。

上下巻▼

上巻▼

下巻▼

人によると思いますが、読破するにはかなり時間がかかるかもしれません。

AI技術が発展し、急速にパラダイムシフトが起こっている今、これから何が起こるのか予想不能なため不安を抱えている人も多いかと思います。

ホモ・デウスは、そういった私たちの不安を拭うヒントになるものだと思いました。

今回は中でも新労働者階級の話題を取り上げたいと思います。

これまでの労働者階級

現在の経済世界を支配する「資本家」と「労働者」という構図は19世紀の産業革命がきっかけとなり生まれました。

誰がやっても同じような仕上がりになるよう、資本家は仕組みを設計し、労働者を雇い、商品を生み出すシステム(生産設備)を作り出しました。

そこでは労働者は、

  • 決められた作業を
  • 決めれた手順で
  • 決められた時間内に

行うだけでよく、それだけで毎月決まった額の報酬(月給)を得ることができました。

資本家は、労働者によって生み出された商品を売り、利益を得て、余剰の利益をさらに仕組みに投資し、利益を拡大することができます。

必要なのは、決められたことを決められた通りに行える労働者。その時間、そこにいて、作業をすることができる人材です。

資本家は、時間を提供してくれる人さえ確保できれば、同じ品質の商品を大量に生産できるようになったのです。余談ですが、アメリカのT型フォードという自動車の生産技術はこの仕組みそのものです。

そしてこの構図は現在にまで至っています。

21世紀の新しい労働者階級「無用者階級」

「資本家は仕組みを作り、労働者は単純作業をこなすことで毎月決まった額の報酬を得ることができる」

19世紀以降の人類は、この構図により発展を遂げてきました。

ところが、21世紀はこの構図からはみ出る人が出てくるとハラリ先生は言います。

新しい労働者階級が生まれ、「雇用不可能な人々」が出てくるというのです。

本から該当箇所を抜き出してみます(太字は筆者によるもの)。

二十一世紀には、私たちは新しい巨大な非労働者階級の誕生を目の当たりにするかもしれない。経済的価値や政治的価値、さらには芸術的価値さえ持たない人々、社会の繁栄と力と華々しさに何の貢献もしない人々だ。この「無用者階級」は失業しているだけではない、雇用不能なのだ。

引用:ホモ・デウス「第9章 知能と意識の大いなる分離」より

ハラリ先生は、21世紀の社会には「雇用したくても雇用できない人」が存在すると言います。

「雇用できない」とはつまり、人を雇うよりもロボットを使った方が圧倒的にコストが安く、かつ質も良くなるため、資本主義社会において「人を雇用する理由がなくなる」ということです。

実際現在においても、AIによりあらゆる仕事はとって変わられています。レジ打ちやコールセンターなどはすでにロボットが代替していますよね。コンビニや銀行は、AIを導入することにより人件費を大幅に削減できるでしょう。

将来的にAIが複雑な仕事を行えるようになると、一定数の人間は一時的に失業するのではなく永続的にどこも雇うことができなくなるのです。

コンピューターアルゴリズムにとって代われる職業

ハラリ先生は著書の中で、オックスフォード大学の研究者カール・ベネディクト・フレイとマイケル・A・オズボーンが出版した「雇用の将来」を紹介しています。

「雇用の将来」では、今後20年間のうちにコンピューターアルゴリズムにとって代われる職業を査定しました。内容をまとめるとこちらの通り。

◾️2033年までに仕事を奪われる可能性がある職業

  • 電話セールスマン、保険業者…99%
  • スポーツ審判員…98%
  • レジ係…97%
  • レストランの調理師…96%
  • ウェイター…94%
  • 弁護士補助員…94%
  • ツアーガイド…91%
  • パン職員…89%
  • スクールバスなどの運転手…89%
  • 建設作業員…88%
  • 獣医助手…86%
  • 警備員…84%
  • 船員…83%
  • バーテンダー…77%
  • 公文書保管員…76%
  • 大工…72%
  • 救助員…67%

レジ係や電話セールスマン、バスの運転手などは最近の動向を見ても「代替される職業」として予測がつくでしょう。

しかし、現在難易度の高い国家資格を必要とする職業として認識されている弁護士補助員や獣医助手までもが、2033年にはロボットに取って代わられている可能性が高い、と予想されているのです。

むしろ、高度な知識を必要とする職業こそAIの得意分野だとされています。時代の逆流は今まさに起こっているのかもしれません。

将来無価値になる技術

ここで考えなければいけない問題は、通常年月を経るごとに培われるであろうはずのスキルが、今後は年月を経るにつれ無価値化するということです。

例えば、自分の仕事に誇りを持っているレジ係は、20年間磨き上げたレジ係というスキルが、2033年に市場においてなんの役にも立たないことを実感するでしょう。マニュアル対応を極めたコールセンタースタッフも同様です。

ファミレスの調理員がどんなに早く美味しくレシピを再現できたとしても、ロボットにはかなわないという時代がやってくるのです。

20年間スキルを磨いてきた調理員やレジ係、コールセンタースタッフよりも、ロボットを使った方がコストが安く、正確なのであれば資本家はそちらを採用します。

そうして21世紀社会には、多くの人が気づかないうちに無用者階級が生まれます

「働きたくても働けない」という時代を前に私たちがすべきこととは

「無用者階級」が生まれる前に、私たちができることはなんでしょうか。

これに関しては明確な答えはありません。ハラリ先生はこのように言及しています(太字は筆者によるもの)。

2030年や40年に求人市場がどうなっているのか私たちにはわからないので、今日すでに、子供たちに何を教えればいいのか見当もつかない。現在子供たちが学校で習うことの大半は、彼らが40歳の誕生日を迎える頃にはおそらく時代遅れになっているだろう。

従来、人生は二つの主要な部分に分かれており、まず学ぶ時期があって、それに働く時期が続いていた。いくらもしないうちに、この伝統的なモデルは完全に廃れ、人間が取り残されないためには、一生を通して学び続け、繰り返し自分を作り変えるしかなくなるだろう。

大多数とは言わないまでも、多くの人間が、そうできないかもしれない。

引用:ホモ・デウス「第9章 知能と意識の大いなる分離」より

将来がどうなるのかは、不確定要素が多くすぎて誰にも予想できません。だからこそ、学び続ける必要がある、とハラリ先生は言います。ただ、それができる人はそう多くないだろうとも…。

実際、「その人にしかできない仕事」を追求することには意味があると思います。これはAIに限らず、市場価値を高めるための考え方であり、希少であればそれだけ市場における価値は高まります。

より高い視座で「自分にしかできない」ことを模索して、極めていくことにより、AI時代においても自分らしく働けるように思います。

2033年になってみないと答えはわかりませんが、今は黙々と自分にしかできないことを積み上げていくべきなのかもしれません。常に、自分をアップデートするという意識は今後も必須となるでしょう。

無用者であること=不幸せではない

ただ、この話はその人が幸せかどうかとは別の話題です。働いていなかったとしても、2033年にはさまざまなインフラが整備されており、働かなくても楽しく生活できる基盤ができているかもしれません。

ロボットが普及することで、衣食住に関するあらゆることが低価格(ほとんど無料?)で手に入るようになっているかもしれません。そうすれば、働くこと自体が不要です。

ベーシックインカムなどの社会制度が導入されている可能性もあります。

とはいえ、働くことは単に収入を得る以上の価値があるはずです。人から信用され、手伝って欲しいと言われることは何にも変えがたい充足感があります。他者貢献による喜びは、人が生まれながらに持っている素質でしょう。

無用者階級が生まれたとき、自分らしく働ける形を今から模索していきたいですね。

ホモ・デウスから新しい労働階級についてご紹介しました。興味を持った方はぜひ一度読んでみてください▼

上下巻

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里佳
ノマドワでは、未経験者からフリーライターになる方法を紹介しています。合わせて読んでみてください。







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