お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 要約&感想2

今回は、橘玲著の「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」の要約、感想をご紹介します。

パート1では、この本の全体の構成とパート1の「お金持ちになる方程式」から重要箇所を抜き出しました。今回はパート1の続きからです。

〜シリーズ〜

1、お金持ちになるための方程式
2、資産運用の新常識と持ち家の話(この記事)
3、生命保険
4、会社員と税金

資産運用の新常識

資産運用に関して、常識とされていたことはじつは非常識で、非常識とされていることはじつは常識なのだ、というのが著者の主張です。この章では、そんな非常識とも思える常識が10書かれています。

私が重要だと思った箇所を抜き出してみます。

投資をしないのが最高の投資である

著者は、不動産や地価の下落データや、1989年から2002年までの東証株価指数(TOPIX)の株価グラフを引用し、こう説明しています。

バブル崩壊後のこの10年でもっとも成功した投資家は、なんの投資もせずに現金を持っていた人たちでした。

株式や不動産で資産を運用していた人は多大の損失を被りましたが、預貯金なら現金が減ることはありません。

日本経済はバブル崩壊後ずっと下火になったため、下手に投資するよりも、現金を保有しておくことが一番の策だった、というのが著者の主張です。

確かに、現金なら減ることはありませんよね(ハイパーインフレについては長くなるので省きます)。

ただ、投資はある程度のリスクを許容しつつ、リターンを狙うものなので、この点は個人的には全く投資しないのは反対です。キャッシュポジションを高めにするという戦略は良いと思いますが、すべて現金保有していると、資産運用してお金を増やした人たちとの差はどんどん開くばかりです。

2020年現在においては、ある程度キャッシュポジションを厚くしておくことは大事ですが、あくまでもリスクヘッジの手段とするのがおすすめです。投資せず、貯金のみで資産形成するのはリスクがあると思います。

適正株価は誰にもわからない

本書ではファンダメンタルズ分析という、財務諸表などで企業の将来の利益を予測し株価の価値を理論的に計算する方法を主題に挙げて解説しています。

理論的には非の打ち所がないように見える分析方法なのですが、実際には急にヒット商品が出たり、不祥事が起きたりという想定外の事象は誰にも予測することができません。

しかも、財務諸表を粉飾するスキャンダルが発覚したり、アナリストたちが株を売るために粉飾を知りながら「優良企業」として推奨するなど不正が続出しました。こうした歴史から、ファンダメンタルズ分析の信頼は失われています。

他にも様々な理論で、経済学者やアナリストが株価予測に取り組むのですが、結局のところ、今わかっているのは株価は誰にも予測できない、ということのみなのです。

短期投資は最高のギャンブルである

ギャンブルといえば、何を思い浮かべるでしょうか?

すぐに思い浮かぶものといえば、宝くじ、toto、競馬、競輪、競艇、パチンコなどだと思います。

一攫千金を夢見てお金を投じるギャンブルですが、これらの公営ギャンブは基本的に胴元が儲かる仕組みになっていることをご存知でしょうか?

しかもその割合は法外に高く、宝くじは購入金額の半分、競輪や競馬は25%が手数料として取られます。

そんな中、もっとも勝率が高いものはといえば、バカラと株式投資だと著者は言います。これらの手数料は0.5%程度だからです。他のギャンブルとは比較にならないほど安いのです。

しかも株式投資の性質は、ほぼギャンブル。ランダムウォーク仮説によると、短期で見れば、株価が上がるか下がるかの確率は1対1で、これはコイン投げや丁半博打と同じなのだそうです。

一瞬先の株価が誰にも読めないことから、短期トレードはギャンブルだと言えます。ただ、他のギャンブルに比べると勝てる確率が高いでしょう。言ってみれば、合法的で最高に魅力的な賭け事です。

あくまで娯楽として楽しむ分には個人の責任のもと行っても良いのでは?というのが著者の主張です。

持ち家の呪縛

次のパートは不動産についてです。特に「マイホーム神話」についてかなり切り込んでいます。

マイホームは、客観的に見れば不動産の購入という投資行為であるにも関わらず、多くの人はそこに「家族の夢」を描きます。著者のこの理由を、ナワバリと認識しているのではと推測しています。哺乳類などの生き物は、なわばりという本能があり、ヒトも自分の城に家族で住むことに深い喜びを感じるとのことです。

しかし、家に住むという使用価値に本来ならそこまで違いはありません。まるでカルトの一種とまで著者は揶揄しています。著者の主張を抜粋します。

持ち家とは賃料の発生しない不動産投資である

持ち家の購入は、不動産投資そのものです。購入した家に自分で住むか、他人に貸すかは、たに利用法の違いに過ぎません。購入した不動産を他人に課せば、賃料が支払われます。自分で住めば、当然、賃料を受け取ることができません。不動産投資と持ち家のとの違いは、たったこれだけです。

マイホームであっても、不動産を買うということに変わりはなく、自分で自分に賃料を払っているだけ、ということです。にわかには飲み込みにくい話かもしれませんが、正しいですよね。

不動産購入の際は、投資をするという視点が必要なのです。

住宅ローンは株式の信用取引と同じである

通常、不動産の購入にあたっては、元本(自己資金)を20%とし、その4倍程度のローンを組みます。元本を基準にすれば5倍のレバレッジで不動産に投資するわけですから、利益も損失も5倍に膨らみます。

仕組みとしては株式の信用取引や先物取引などと似たレバレッジ商品ですが、そのように認識している営業マンはほとんどいないでしょう。私たち買い手側が理解しておけなければいけない、ということですね。

30年後に手に入った「我が家」に価値はない

築30年の木造住宅は廃屋ですから、わざわざ家賃を払って借りようとする物好きは滅多にいません。賃料の取れない不動産の価値はゼロです。ふたたび価値を生むためには、リフォームするか、建て直すかしかしなければなりません。いずれにせよ、ここで大きな追加コストが発生します。

「30年ローンを支払い終えたとき家は廃屋になる」というのは流石に言い過ぎかもしれません。実際木造住宅の耐用年数は60年程度だと言われています。一般的に20年、30年といわれるのは法定耐用年数や設備寿命が元になっており、物理的にはもう少し寿命は長いです。

ただ、メンテナンス費用や老朽化によるリフォームは、必ずあることなので、住宅ローンを払ったら追加費用はかからない、と考えるのは早計となります。

長くなったので③へと続きます。

今回紹介した書籍