今回は、橘玲著の「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」をご紹介します。
個人的に橘玲先生の著書は愛読してまして、これまでにも「幸福の資本論」「国家破産はこわくない」「貧乏はお金持ち」などを読んできました。
「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」は、著者が出版した書籍の中でも代表作とも呼べるもので、確か諸藩は2002年ですが、その後も人気が衰えず2017年に新版が出ました。
今回は、そんな著者のベストセラーを要約していきます。
〜シリーズ〜
1、お金持ちになるための方程式(この記事)
2、資産運用の新常識と持ち家の話
3、生命保険
4、会社員と税金
目次
要約する本の紹介
今回、ご紹介するのは「新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ」です。
どんな本なのかを、ものすごくザックリ言うと、「日本社会の制度をうまく活用すれば誰でも無理せず1億円の金融資産を築けます」という本です。
正直、あまり人に教えたくはない本だったりします。この本にたどり着いた人はラッキーだと思います。
本書の構成
この本は、3つのパートに分かれています。
- パート1 資産運用(基本のマネーリテラシー)
- パート2 マイクロ法人(会社員と税金)
- パート3 働き方
資産運用パートは、お金持ちになるための原理原則、資産運用の常識、持ち家の呪縛、生命保険は損をする、という内容です。
マイクロ法人のパートは、会社員の税金、マイクロ法人の活用方法、税務調査について書かれています。
働き方のパートでは、あまりページは割かれておらず、過去の分析ではなく今後の予測が書かれています。
それぞれ私自身が重要だと思った箇所を抜き出して要約していきます。
パート1 資産運用
この章で述べられていることは、言うなれば基本のマネーリテラシーです。日本の制度設計を基本とし、知っておくべきルールや常識が書かれています。
- お金持ちの方程式
- 資産運用の新常識
- 持ち家の呪縛
- 生命保険は損をする
内容は大きくこれら4つに分かれています。
お金持ちの方程式
お金もちになるには、方程式がある。というのが著者の主張です。ここでは10のルールが紹介されていますが、その中からぎゅっと絞って3つだけご紹介します。
複利の資産運用では、わずかな利回りの違いが大きな差を生む
キーワードは「資産×運用利回り」です。当たり前といえばそうなのですが、利回りが高ければ高くなるほど、資産は大きくなりますよね。
本の中には、元金1000万円を20年間複利で運用した場合の例が記載されています。
利回り | 資産 |
1% | 1200万円 |
2% | 1500万円 |
3% | 1800万円 |
4% | 2200万円 |
5% | 2700万円 |
金利4%と5%では、500万円の差が生じます。
資産は複利で増えていくので、最初は本のわずかな利回りの違いでも、最終的には大きな差になります。
金利が1%違うだけで、数百万単位で資産に差がつきます。500万円を貯めようと思ったら、何年かかるでしょうか?
金額が大きくなると麻痺してしまいがちですが、目の前の数百円の節約をするよりも、1%でも利回りの高い資産運用を考えた方が良い、ということですね。
収入を増やす確実な方法は働き手を増やすこと
もしあなたが結婚しているのなら、家計の収入を増やすもっとも確実な方法は、共働きにすることです。
家族のなかの労働人口を増やせば、人数に比例して家計の収入は増えていきます。
子どものいるサラリーマン家庭では、どんなに頑張っても毎年100万円を積立てるのが精一杯ではないかと思います。
ところが、妻が仕事を始めて年300万円積み立てることができれば、(年3%で10年間運用すると)資産は10年で3400万円に増えます。
橘氏は、一人暮らしをしたり、専業主婦を養うことは究極の贅沢だと言っています。もし、お金に困らない生活を送りたいと考えているのなら、すぐにでも働くことを考えましょう。それが近道です。と著者は主張しています。
家計のリストラは住宅コストと生命保険から
お金持ちの方程式は、不要な経費をカットして、黒字にすること。そのために必要なのは、住宅コストと生命保険の経費削減だということです。
日本の家計の場合、最大のコストは住居費です。たいていの人は、年収の20〜25%を住宅ローンの支払いや家賃に充てています。(中略)これを改善できればキャッシュフローは劇的に改善します。
住宅コストと並んでリストラ余地の大きなものに、生命保険があります。ほとんどの人は、生命保険の大半を解約してしまってもなんの問題もありません。資産形成から考えれば、生命保険ほど効率の悪い金融商品はほかにありませんから、その利用は最低限にとどめるべきです。
無理な金額で住宅ローンを組んでしまい、家計が圧迫するというパターンは多いです。組んでしまってからでは遅いので、対策としては最初から無理のない金額に設定したり、賃貸に住むことを検討しておく必要があります。
また、生命保険も過剰なプランに加入していることが多いです。特に貯蓄型保険は、投資商品と比較した場合にかなり見劣りします。
日本人は平均して月額3万円程度を保険に費やしているそうです。これを削減できたら大きいですよね。生命保険については、もう少し詳しく解説しているので別の章も見てみてください。
お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 要約&感想2へ続きます。