将来Uターンする夫婦が新築や賃貸ではなく中古マンションを買った理由

2019年秋頃、現在住んでいる中古の集合住宅の1室を購入しました。いわゆる団地です。約53平米の2LDK。不動産業者の方が、古い部屋を買取り、リノベーションを施した物件でした。

この話をすると、必ず「なんで中古?」「ずっと東京に住むの?」と聞かれます。私たちも、すごく悩んだ上での決断だったので、話し出すとすごく長くなっちゃうんですよね。

中古を選ぶのは、まだまだ少数派だと思います。しかし一方で、最近若い世代の間ではあえて中古物件を買う傾向がある、という調査もあります。

今回は、まさに当事者として、なぜ中古物件を購入したのかを説明してみたいと思います。

私たち夫婦の状況と将来設計

家を購入する前の、私たちの状況や価値観、将来設計を整理すると以下のようになります。

  • 地方出身の30代夫婦
  • 武蔵野エリア在住
  • 1DKの賃貸
  • 妻(私)が在宅ワークのため、少し手狭
  • 将来的に地方にUターンする計画がある
  • 都内に住むのは10年程度
  • 物件は、立地と内装重視(外観にこだわりなし)

同じ武蔵野エリア、あるいはその近郊で、良い物件がないかを探していました。家を購入するとは思っておらず、賃貸と分譲どちらもを探しているような状況でした。

家を買うといえば、新築マンションを選ぶ人が多い中、どうして私たちは中古を選んだのか。また、将来Uターンする計画がありながら、なぜ家を購入したのか。その理由は大きく分けて3つでした。

最初に断っておくと、これは新築マンションの購入、また賃貸を否定するものではありません。あくまで個人の価値観によるもので、新築は新築の良さが、賃貸には賃貸の良さがあると思います。住んでいるエリアや将来設計なども違うので、一概に言えないですよね。

今回は、決断するまでの背景や思考回路を整理してお伝えすることで、誰かの参考になればいいなと思っています。

理由1、将来に対する不安があった

1つ目の理由は、将来に対する不安です。

私たち夫婦は現在30代前半で、ミレニアル世代に当たります。この世代はおそらく、他の世代よりも将来に対して慎重な考えを持っているのではないでしょうか。自分たちの将来は自分たちで防衛する、という意識を持っている人が多い気がします。

家の購入は、人生の中でも大きなイベントであり、数千万円のお買い物を決断するのは、やはり勇気がいります。

私たちも同様で、ごくシンプルに言うと、多額のローンを背負うことに抵抗がありました。これから30年間、収入が保証されているとは、到底思えませんし、リーマンショックを経験した身から言えば、今後どんな経済危機が起きるかもわかりません。

そこで、ローン額をできる限り下げるようにしました。いざとなれば、手持ちの資金からローンの残額をまかなえるようにしたい、と思ったのです。

そうなると、自ずと購入できる上限は決まってきます。価格帯で絞った上で、ちょうど良いタイミングで、リノベ団地の物件が出ました。内見してすぐに私たちは気に入ってしまったのです。

理由2、家賃が勿体無いと感じた

2つ目の理由は、家賃についてです。

今回購入したのは、一時的な住まいとしての物件でした。夫の実家が地方にあり、将来的にはそちらにUターンする計画でした。都内に住むのは、おそらく10年ほど。賃貸で住み続けた場合の家賃をざっと計算すると、10年間で数千万円でした。

数千万円を家賃として払うのであれば、購入して、ローンを払い終わった頃に家が手に入る方が良いのでは?と考え至りました。

これまで家を購入した人たちが、口々に「賃貸で家賃を払うのは勿体無い」と言うのを聞いてきましたが、その理由がやっと腹落ちしました。同じスペックの物件でも、賃貸で住むのと、ローン支払いで住むのとでは、2割から3割増しくらいになります。

「それなら、いっそのこと買っちゃおう」となりますよね。私たち夫婦も、同じ轍を踏んだわけです。

理由3、Uターン後の展望があった

最後、3つ目の理由は、物件の将来展望をリアルに描けたことです。

私たち夫婦は、将来的にUターンする計画があったので、そうなったとき、まず、売却は可能か。可能であれば、最低いくらくらいで売れるのか?を調べました。

次は、賃貸に出せるのかどうか。

もし賃貸に出した場合に需要はあるのか。つまり、空室リスクを検討しました。そして、想定家賃はいくらか。下落率を1%と仮定した場合に、修繕費や保険費用などの必要経費を計算して、シミュレーションし、赤字にならないことを確認しました。

ここまででも十分な気がしますが、私たちが購入したのは築50年の古い団地だったので、建て替え計画についても調べました。もしかすると、ローンを支払い終わった頃、あるいはそれまでに、この団地を丸ごとディベロッパーが買い取り、建て替える可能性があったのです。

よく調べていくと、実際に近隣でそういった建て替えの事例があり、実現までには困難な壁がいくつもあることがわかりました。住民は立退く代わりに物件を売却するか、もし住み続けるのであれば、工事が行われている間の借り住まいの賃貸費用と、新築マンションに住むための追加費用を負担しなければいけないのだそうです。

もちろん、担当するディベロッパーによって詳細は変わってくるのでしょうが、基本的な流れはこのようになっているのです。

ただ、Uターンを考えている私たちにとっては、建て替えはメリットがある選択肢でした。

このように、売却、賃貸、建て替えという3方向から将来の展望を考えた上で、この物件は購入しても良いものだと判断しました。

よくリサーチしてみると、賃貸にしろ、売却にしろ、建て替えにしろ、このエリアで、この広さで住む権利というのは、なかなかに良い値段がつきそうだという結論に至ったのです。かなり時間がかかりましたが、しっかり判断できたのではと思っています。

最終的には街に対する愛着が決め手かも

以上が、中古マンションを購入した理由です。人それぞれ、置かれている環境も将来の選択肢も異なるとは思いますが、少しでも参考になったら嬉しいです。

最後に、色々と書きましたが、正直、今の街を気に入ってしまった、というのも大きな理由です。

緑豊かで、住人は落ち着いており、とても静かです。子供達の元気な声は聞こえますが、バスの中で、見知らぬ乗客同士が一言二言交わすという光景も見られます。今では、そういうこともかなり減ってしまいましたよね。

そういえば不動産業者の方が、「この街に引っ越してきた人は、出ていかないですね。」と言っていたことを思い出しました。それだけ住み良いということなのかもしれません。

理屈ももちろん大事ですが、最終的には「この街好きだな」というフィーリングが決め手になるのかもしれないですね。こちらをご覧の方が、素敵な住まいを見つけられることを願っています。