生活防衛資金という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
最近、お金について興味が出てきたという人は見聞きしていると思います。
生活防衛資金とは、もし自分たちに何かあったときに急場をしのぐための貯金を言います。
今回は、
「生活防衛資金ってどのくらい必要なの?」
という疑問をお持ちの方に向けて、会社員、フリーランスの場合としてご紹介したいと思います。
私たち夫婦(会社員、フリーランスの二人暮らし世帯)がどのようにしているのかもご紹介するので、よければ参考にしてみてください。
目次
生活防衛資金とはなにか
生活防衛資金というのは、まとまった貯金のことです。
その役割は、もし世帯の働き手に何か病気や怪我があったときに、収入ががくんと減っても生活していくための貯金です。
急に収入が途絶えても毎月かかる費用は変わらないので、電気ガス水道などのライフラインや家賃、食費などは必要です。手元に貯金がないと、いざというときすぐに生活に困窮してしまいますよね。
そんな急場をしのぐための、「ひとまずのお金」が生活防衛資金です。
なぜ必要なの?生活防衛資金が大事なワケ
生活防衛資金がなぜ、大事なのかについてちょっと掘り下げてみましょう。
多くの人がお金に困るようになるきっかけは借金です。
収入が安定しているうちは何も問題はありません。しかし、まったく貯金がない状態で収入の柱を失ったとしたらいかがでしょう。
手元のお金がなくなれば、生活を続けていくために、金融業やクレジットカード会社でお金を借りることになります。収入がないのに、どんどん返済期限が迫ってきます。
そして合理的な判断ができなくなり、また別のところから借金するという、地獄のループにはまってしまいます。このように借金を借金で返すようになったら終わりです。
こんな悲劇を招かないために生活防衛資金が必要なのです。ある程度現金の蓄えがあれば、収入がなくても生活できますし、借金は避けられます。
保険に入ってるから大丈夫?
こちらをご覧の人の中には、「うちは保険に入っているから大丈夫」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、保険と生活防衛資金はまったく別物です。
保険は必要になってから申請し、手元にキャッシュを得るまでに最低でも数日を要します。審査基準によってはスムーズに申請が通らないこともあるでしょう。
例えば、クレジットカードの支払いなどは、期日までに払えなければカード利用を一時的に止められたり、水道ガス光熱費などのライフラインや家賃も料金を払えなければ止められてしまいます。少し猶予してもらえますが、ずっと滞納するわけにもいきません。
ただでさえ、収入が途絶えて混乱している状況ですし、やるべきことがたくさんある中で、保険金の請求という手間が増えるのは良いこととは言えません。
生活防衛資金は「すぐに使えるお金」という点に価値があります。精神安定剤としても有用なんですね。
いくら必要?計算方法とは
では、生活防衛資金はいくら必要なのでしょうか?まずは、最低限必要な金額を計算してみましょう。その後、会社員なら半年分、フリーランスなら1年分をめどに掛け算してみてください。
これがあなたが基準とすべき生活防衛資金です。
最低限生きていける金額を計算しよう
まずは、月に必要な最低金額を計算してみましょう。お小遣いや娯楽費、贅沢費を除いた必要不可欠な金額です。そしてそれを必要な月数分掛け合わせます。
会社員は半年分。フリーランスは1年分を目処にすると良いと思います。
FPの家計相談を例にとって見てみましょう。資産状況などは考慮せず、毎月の支出にのみフォーカスしてみます。
【プロフィール】
- 女性、39歳、会社員、既婚
- 夫(39):手取り月収40万円
- 妻:手取り月収20万
- 子ども3人:0歳(新生児)、3歳(保育園2歳児枠)、5歳(年長)
- 住居の形態:賃貸
【毎月の支出の内訳】
- 住居費:9万円
- 食費:6万円
- 水道光熱費:3万円
- 教育費:3万円
- 通信費:2万5000円
- 車両費:1万5000円
- お小遣い:2万5000円×2人
- 保険料:約8万円
この方の場合、月の支出が38万円。夫の収入が手取り40万円なので、妻の収入を丸々貯蓄できています。
もし、この世帯の2人ともが働けなくなったとき、最低限必要な生活費はどうなるでしょうか?
この場合、生きていく上で最低限必要なのは、住居費、食費、水道光熱費、通信費です。そのほかの項目は、人によって変わってくると思います。これらを合計すると、20万5千円となります。これが最低限必要な月額となります。
会社員は半年分
会社員の場合、生活防衛資金は半年分あれば生活に困ることはないと思います。先ほどの例でいくと、20万5千円の6ヶ月分なので123万円となります。最低限必要な貯金額はこのくらいと見積もっておきましょう。
突然リストラなどで退職したとしても雇用保険の失業給付金がもらえますし、病気や怪我で働けなくなったとしても、傷病手当金や休業補償給付などが、状況に応じて支給されます。傷病手当金などは月額給与に応じて支払額が決められますが、サラリーマンの場合は月額給与額が安定しているので、これらの支給額を決める際に使われる標準額もぶれることはありません。
収入がまったく途絶えるわけではないので、これらの給付金と半年分の資金があれば、生活を立て直すまでの期間をしっかり支えていけると思います。
フリーランスは1年分
一方フリーランスや自営業者の場合は、サラリーマンのように失業給付金をもらえません。事前に共済などに加入していればいいのですが、そうしたものがない方は自力で仕事を立て直す必要があります。
景気の煽りを受けやすく、仕事を得るまでに時間を要することが考えられます。その間にも、固定費はかかり続けるので、仕事に専念できるように1年分は貯金しておくべきだと思います。
先ほどの例でいくと、20万5千円の12ヶ月分なので246万円となります。
我が家の場合
ここで私たちの世帯がどのようにしているのかを少しご紹介します。夫が会社員、妻がフリーランスの家庭です。
我が家では、生活防衛資金という名の預貯金が約1年分あります。最低限のキャッシュだけ手元に置いておき、あとはすべて投資に回しています。
毎月の家計の貯蓄でインデックスの積み立てをしていますが、何かあれば取り崩すことも可能です。インデックスの売却注文を出し、確定し、振り込まれ、証券口座から銀行口座に移し替えるには、早く行っても数日かかります。
資産全額を投資に回すと、急に現金が必要になったときに困るので、手元に現金を置いておくことが大事だと感じています。
まずは固定費を見直そう
なにはともあれ、毎月の固定費は少ないに越したことはありません。
固定費がかさんでいると、急な事態に対応できず、多額の借金をせざるを得なかったり、場合によっては倒産する可能性もあります。
会社員の場合も、住宅ローンを払えず、マイホームの売却を考えたり、ということもあるでしょう。
ミニマムに生活することは色々なメリットがあります。生活防衛資金が少なくて済みますし、何か緊急事態が起こっても、なんとか生けてはいけるという安心感があります。
先立つ資金は肝心です。もし、今手元に十分なキャッシュがないという方は、ぜひ「いくらの防衛資金が必要なのか?」という計算から始めてみてください。
それでは、今日も最後までご覧くださりありがとうございました。この記事が誰かの役に立てば嬉しいです。