2020年の6月末、新しい試みとして始めたホストファミリーですが、3ヶ月目にして大トラブルが発生しました。
結論から言うと、警察が出動する事態になり、ゲストは強制退去という形になりました。大変残念ですが、今回のトラブル解決に関わってくださった方々には感謝しかありません。
今回は、ホストファミリーをやってみようかな?と思っている方々に向けて、私たち夫婦の教訓をお伝えできればと思います。ご参考になれば嬉しいです。
何が起きたのか?
まずは、何が起きたのかを時系列でお話したいと思います。内容は少しぼやかしつつご説明します。
今回我が家にやってきたA君は20代前半の若い男の子です。以前の記録に書いたように、1ヶ月目、2ヶ月目は多少のトラブルもありつつも、仲介業者さんのサポートもありつつ、なんとか平和に暮らしていました。
事件が起きたのは、ホストファミリー生活も4ヶ月目になった頃。私が数ヶ月前にネットで雑貨を注文していたのですが、まだ届いていないことに気づきました。郵送会社やサイトに確認すると、「配達済みになっている」と回答されました。主人とA君に確認するも、心当たりはなさそうでした。
「もしかして盗難だろうか?」と不安になり、警察署に相談しましたが、解決には至らず。この件はうやむやになりました。
それから数日後、A君とのラインの中で私が何の気なしに警察の話題を出しました。するとA君の様子が激変。
急に「僕は(あなたのネット注文した商品を)盗んでいない!あれは郵便局のクソ野郎がやったことで僕は何も知らなかったんだ。」などと喚き始めました。
こちらの整理が追いつかず、話をよく聞くと、私がネット注文して行方不明になったと思っていた商品はA君が持っていて、すでに使っていました。
興奮気味に弁明するA君とは裏腹に、私自身は第3者による盗難の可能性がないとわかって、ほっとしてました。
「わかったから、警察に行って、事の顛末を報告しよう。」と伝えると、A君はさらに激昂し、ほとんど発狂状態になりました。こちらの言うことに耳を貸してくれません。ただ、自己弁護を続けるのみです。
その後、主人が家に帰宅しました。状況を見て、A君の興奮状態をなだめようとしたところ、主人の手がA君の肩に触れました。するとA君はここぞとばかりに「僕を傷つけたな!?信じられない!なんて野郎だ!」などと暴言を吐き、精神錯乱状態に。
「わー」「ぎゃー」と部屋の中で大声で喚き続けていましたが、そのうち自ら裸足で玄関の外に出て、廊下の踊り場で叫び続けました。隣人の扉をドンドンと叩き、「こいつらは悪党だ!誰か出てきて!」などと喚き散らしていました。
「ご近所迷惑になるからやめて」と言ってもまったく聞かず、私たち夫婦にはもはや手がつけられず、110番をコール。どうすることもできないまま、警察が駆けつけるまでの數十分、A君は喚き続けました。今考えても、あの状況は地獄でした。笑
警察が家に到着し、そのまま自宅で双方の事情聴取が始まりました。
私自身は冷静に受け答えしているつもりでしたが、警察の方から「奥さん、手が震えていますよ。」と言われて、自分がものすごく恐怖を感じていたことに気づきました。
その後は、警察の判断でA君をこの家に近づけないようにとの指示があり、身柄は仲介業者の方が引き取っていきました。その後の荷物の搬出なども、すべて仲介業者の代表者さんがやってくださり、今ではいつもの暮らしに戻っています。
あとでわかったことですが、A君はじつは難民申請中であることを隠していました。仲介業者さんにも虚偽の申告をしていたようで、それがバレることを恐れて警察という言葉にあれほど過敏に反応したのだと考えられます。(もしくは、そのほかにも後ろめたいことがあったのかもしれませんが、これは憶測の範囲を出ません。)
ホストファミリーをする上での教訓
今回の事件で、私たちとしては多くのことを学んだと思っています。ホストファミリーをする前に知っておけばよかったと思うこともあったので、ぜひシェアさせてください。
低価格での受け入れはしない
今回の受け入れでは、かなり低額で受け入れをしてしまいました。他のホストファミリーさんが受け取っている額の半額、あるいは3分の1程度だったかと思います。
しかし、この金額面が結構重要で、聞いた話ではトラブルが起きるのは低価格の案件が多いのだそうです。
私たちが今回この価格で受け入れを決定したのも、今の情勢も踏まえると仕事も見つかりにくいだろうからという、社会貢献のような意味合いもありました。それがこうなってしまったので、これからホストファミリーをやる方には低額での受け入れはおすすめしません。
必ず夫婦で面談をして受け入れを決定する
ゲストの受け入れでもっとも重要な面談ですが、A君に関しては主人の仕事の都合で私だけで行いました。
今思えば、あの時主人も一緒に面談していれば、違う意見をもらえたかもしれません。どちらかが肯定的ではなく、それを我慢していた場合、その溝はどんどん深まっていくと感じます。満場一致であることが大前提とするべきだと思いました。
違和感があれば、すぐに中断する
「小さな不満があればすぐに解決しよう」ということはA君とも共有していました。そのために努力してきたつもりでしたが、やっぱり違和感をスルーしてしまったという気持ちは否めません。
A君の場合、外泊が多くなっていたことがそれに当たります。A君はもともと、週に1日ほど友人の家に外泊をしていました。ところが、その外泊期間が徐々に伸び始め、4ヶ月目には多いときで週に4日ほど外泊するようになっていきました。新宿や渋谷などのバーやクラブで遊ぶのが好きな人だったので、深酒して酔潰れるということもあったようです。
私たちはこの状況に対して「まぁ、まだ若いし、遊びたい盛りだろうしね。」と深く考えませんでした。
しかし今振り返れば、「夜遊びする中で悪い友達ができてしまったのかも」と考えられなくもありません。早めに仲介業者さんに相談するなりしておけば、また違ったのかもしれません。
色々と書きましたが、私たち夫婦が今回の事件で学んだ教訓は、この3つです。正直、ホストファミリーなんてやらなければよかった、という気持ちがない訳ではないですが(笑)、色々と思い出もあるので複雑です。その上で、起きてしまったことは仕方がないか、早く笑い話にしたい、とも思います。
この反省が誰かのホストファミリー体験に生きれば、こんな嬉しいことはありません。