不動産投資について知っておきたい5つの現状

不動産投資に興味のある人は多いと思います。

一般的に、株式投資やリート、ETFなどの投資では手持ちの資金しか動かせませんが、不動産投資なら銀行融資を受けることで、何千万、何億と資産を拡大させることができる、と言われています。

さらに住宅の需要や賃貸価格は下落しづらく、長期的なリターンを見込めるとされ、ミドルリスク、ミドルリターンの投資と呼ばれています。

私も不動産投資に興味を持ち、不動産投資の関連書籍を読んでみました。理想的な投資方法として興味があったのですが、様々な本を読んでいくうちに「不動産投資ってめちゃくちゃ難しいな…」と思うようになったので、その理由をまとめてみます。

①金融機関の融資

不動産投資をやるには融資が不可欠です。ですが、2020年現在、各銀行は不動産投資に難色を示しています。

年収3000万円を超えるような属性(属性:その人のバックグラウンド-年齢、会社、年収、勤続年数など)をもつ人であれば、融資することは容易になるそうですが、そういう方って限られますよね。

そもそも各銀行がここまで不動産投資に消極的なのは金融庁による指導があるからです。その金融庁が目を光らせるきっかけになったのは、数年前に起きたスルガ銀行の不正融資問題です。銀行員が顧客の通帳の数字を書き換えて(例えば実際には預貯金100万円のところを0を書き足して1千万円あるように見せかけるなど)、不動産業者に紹介して不動産を買わせていたんです。しかも、銀行と不動産業者はグルになっていた、という話なのだから驚きです。

さらには、レオパレスの不適合物件(法律を遵守していない建物、居住者に危険が及ぶことがある)の乱立、女性向けシェアハウス「かぼちゃの馬車」の賃貸事業の多額債務問題など、不動産業界の習慣が噴出しました。

これらの問題が明るみになる前であれば、銀行は主婦や一般の会社員にも積極的に融資する姿勢があったのですが、今金融庁は銀行各社に強い引き締めを行っており、高属性でないとまったく手も足も出ない状態になっています。

②好条件の物件を購入するハードルが高い

これは不動産に関する情報を集めていく中で知ったんですが、好条件の物件は、そもそも市場に出る前に取引されてしまうのだそうです。これが不動産投資の参入障壁が大きい理由の1つでもあります。

一般的に新規参入者は、ネットの情報を見て購入するかどうかを検討するのですが、これではなかなか良い物件に巡り会うことができません。

もし奇跡的に素晴らしい物件が市場に出た場合でも、瞬時に資産家や業者によって買われてしまいます。東京においては、2000万円〜3000万円くらいの物件であれば、現金買いされてしまう現状があります。

売主としては、買えるかどうかわからない人ではなく、現金で買える人に売りたいと思うのは当然なので、同じタイミングで買い付けが入った場合に、即買いできる人が優先されてしまいます。

③人口減少、競争過多…事業性の要素が強い

そもそも投資とは、資金を提供することでリターンを得ることです。例えば、株式投資であれば好きな株を選んで購入したら基本的に放っておくのみです。これが不動産投資となると、業者からの電話に対応したり、賃貸状況を伺ったり、広告を打ったり、リフォームしたりという手間がかかってきます。

ある程度の手間がかかることから、不動産投資は「投資ではなく事業だ」と言う方も多いくらいです。

さらに、今後の日本の人口は半減していくことがわかっています。上昇傾向にあった東京でさえも将来的に人口は減っていきます。

平成 27(2015)年国勢調査による人口を基準に、2060 年までの東京の人口を推計すると、東京の人口は、今後もしばらく増加を続け、2025 年の 1,398 万人をピークに減少に転じるものと見込まれる。

引用:2060 年までの東京の⼈⼝推計

不動産投資は20年、30年という期間、2%〜3%ほどの金利で融資を受けます。今は良くても数年後、人口がグッと減る中で満室経営を目指して入居者を確保しようと思えば、ある程度特典(家賃の値下げや初期費用の免除など)を検討する必要があります。現時点でも、都市部のワンルームマンションで入居者に家具をプレゼントする大家さんもいます。これから競争が激化していくことは否めません。

経営者としての手腕が問われるビジネスですし、投資と思って参入すると、こんなはずでは…となりそうです。

④最終的な手残りは2%

本屋さんで不動産投資関連の場所に行くと、「主婦でも資産1億円!」「たったの5年で年収2000万円を達成できた」などのフレーズが目に入ります。

興味をそそられるタイトルですが、実際にその人が利益を得ているかどうかはわかりません。というのも、不動産投資は、手残り2%が合格ラインと言われているからです。

手残りというのは、収入-経費-借入金返済-税金のことです。例えば、家賃年収2000万円の人がいたとして、そのうち15%は経費なので300万円が引かれます。返済比率が70%として1400万円、修繕積立として10%の200万円を引き、残った額に税金20%がかかるので、20万円が引かれます。残った額は80万円となります。

つまり、年収2000万円の大家さんの最終的な手残りは80万円程度。ですが、2%で合格ラインのため、この大家さんは合格ということになります。

家賃年収2000万円というと、数億円もの不動産を購入する必要があります。数億円もの借金を背負ってこの手残りというのは、結構びっくりしてしまう事実ではないでしょうか。

⑤資産○億!でも負債も○億!

最後にバランスシート(B/S)の面から見ていきます。バランスシートとは貸借対照表とも言い、その人の経営状態を一目で知ることができます。端的に言うと、資産が多ければ経営状態は良好です。

株式投資であれば、B/Sを見て経営状態が健全であるかをチェックしてから投資します。経営状態が悪いと、いくら配当が高くても、いくら売り上げが高くても、いつ破産するかわからない状態だからです。

大家さんによくあるのが、「資産10億あるけど負債も9億ある」という状態です。1億も資産があれば問題ないのでは?と思うかもしれませんが、10億円の物件ともなれば、修繕が必要になると一度に数千万円が飛んでいきます。修繕できるだけの潤沢なキャッシュフローがなければ、修繕を見送ることになり、物件の競争力が落ち、入居づけが難しくなる、という悪循環に入ります。

株式投資では絶対に投資しないようなB/Sを持っている大家さんは意外にも多いということです。もしかすると、本人ですら自分の経営状態について知らないかもしれません。負債過多というのは、ものすごく怖い状態で、一歩間違えば破産するかもしれないというギリギリの状態なのですが、書籍を読むとかなりリスキーな運営をされている方が多くて驚きます。

まとめ

不動産投資について調べてみましたが、現実的にはちょっと難しそうでした。私自身は、手残り2%という部分が1番衝撃的でした。リスクが低いと言われている債権の投資信託でも利回り4%、5%のものは売られているので、あえて不動産投資をやる意味とはなんなんだろうと思ってしまいました。

もちろん、レバレッジを掛けられるという点は魅力です。しかし、放っておくだけで利益を得られるモデルではないので、会社経営者くらいの力量がいる事業だと思います。

不動産投資の5つの現状を挙げてみましたが、もしこれらを踏まえた上で、すべてクリアできたら理想的な投資になるなとも思います。つまり、融資が楽に受けられて、好条件物件が手に入り、賃貸需要が落ちないエリアで、手残り5%くらい、B/Sの状態も良い、という物件…なのですが、この条件を簡単にクリアできるなら誰も苦労しませんよね。汗

ただ、実際にこの条件を満たしている凄腕の大家さんもいるので本当に尊敬します。不動産投資については20冊以上読んでみましたが、まだまだ勉強が必要そうです。自分に合う方法を地道に模索してみたいと思います。





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