受け取り上手になるには教養・感性・想像力が要る。「世界は贈与でできている」を読んで

皆さんは受け取るのが上手な人でしょうか?

最近思うのですが、受け取るのが上手な人ってとても運が良いし、人生がスイスイとうまくいっているような気がするんですよね。

プレゼントであれ、報酬であれ、臨時ボーナスであれ、褒め言葉であれ、こういう相手がくれたものを、上手に受け取ることができる人になれたら、人生は好転すると思います。

今回は「世界は贈与でできている」という本を読んで感じた、受け取り上手な人の3つの特徴についてご紹介します。

何かのヒントになれば嬉しいです。それではいきましょう!

整理してたら1冊のノートが出てきた

先日、部屋の整理をしていたら1冊のノートが出てきました。それは私が新卒で入社した会社で店長見習いをやっていたときのものでした。

研修先として入った店舗で、大変お世話になったベテラン店長さんがおり、その人に色々なことを教わりました。店舗オペーレーションから人との接し方まで多岐に渡りました。厳しさも優しさもある愛情深い人でした。

そして研修最後の日に渡されたのが、前述のノートです。それは私が赴任した初日から店舗での研修を終えるその日までのことが綴られたノートでした。

そこには、これまでの私の作業内容や成長した点、うまくいっていない点、体調の良し悪しなどが克明に記されていました。

使ってくれたのは”時間”

ここまでのことをされたのは初めてだったので、とても驚き、涙が溢れたことを覚えています。

ベテラン店長が贈ってくれたのは、紛れもなく、時間そのものでした。毎日毎日、何十分かけて書いたのだろうと、想像しては感極まります。

そのノートは誰に見せるでもなく、誰かに褒められるためのものでもない。研修最後の日に渡されたので、私はお返ししようと思っても返せないのです。とても純度の高い贈り物でした。

受け取る側の教養が必要

しかし、こうして振り返ってみても、当時の自分がきちんと受け取れていたかは疑問です。

与えてくれたものをしっかりと受け取り、見合うだけのものを返せていただろうかと考える度に、当時の自分はとても未熟で、とてもではないですができていたとは言えない気がしました。

そして最近、受け取るという行為はとても奥が深く、受け取る側の高い教養が必要なのだと、ある書籍で知りました。

書籍「世界は贈与でできている」

教育者であり、哲学研究者でもある近内悠太さんが書かれた「世界は贈与でできている 資本主義のすきまを埋める倫理学」という書籍があります。

第29回山本七平賞・奨励賞、紀伊國屋じんぶん大賞2021 第5位 入賞と受賞しており、糸井重里さん、茂木健一郎さん、山口周さんら著名人からも賞賛する声が上がる注目作です。

私自身はこの本を読んで、深く感銘を受けました。

本の内容を一言で要約すると、「世界はこれまで生きてきた先人たちの知恵でできており、それを受け取れるかどうか、そこに気付けるかどうかは、受け取り手の教養に関わる」というものです。

贈与とは匿名性のある贈り物のこと

ここでいう「贈与」とは「与えたことを悟られてはいけない贈り物」であるとされています。

与えた時点で悟られると、それは贈与ではなくなってしまう、というのが著者の考えです。

人は何かを与えられると「その人にお返しをしなくては」と思う返報性の原理があります。このお返しというのがちょっと厄介で、著者の言う贈与にはお返しや見返りを求めないことが大事なのです。

そのために匿名性が必要であると。

ちょっとわかりにくいかもしれないのですが、イメージ例としては漫画「タイガーマスク」の主人公(伊達直人に扮して匿名で寄付する)の行為やクリスマスのサンタさんからの贈り物などがあります。

いずれも、与えられた時点では誰からの贈り物かわかりません。

いずれかの時点で与えた人が判明することはあっても、与えられた時点とは大きなタイムラグがあります。

与えられた者はお返しができないので、ただ受け取るだけとなります。

これが著者の言う「純粋な贈与」です。

「世界は贈与でできている」とは?

さて、そんな「純粋な贈与」はじつは世界中、至る所で私たちに手渡されています。

それは、整備された道路であり、いついかなるときも滞りなく供給される電気であり、現代科学を支える研究でもあります。

つまり、私たちが今この時代、この暮らしができていること自体がギフトなのだということです。

これまでの歴史の中で生きてきた人達の知恵、経験、叡智、それらのものがギフトとして、どこの誰ともわからない人の元へと届けられているのです。

これが、タイトル「世界は贈与でできている」の意味です。

受け取り上手になるための3要素

ここまで読んで、いまいちピンときていない人もいると思います。

私自身、書籍を読むまでは自分が大量の贈り物を受け取っていることに気づきませんでした。

ここに、受け取り上手か、受け取り下手かの違いがあるのだと思います。

「世界は贈与でできている」を読むと、贈り物を受け取るには受け取り手の教養が必要だとわかります。

みなさんの周りにも、受け取り上手な人はいるのではないでしょうか?

受け取り下手な人と受け取り上手な人、それぞれ何が違うのかを考えたのですが、そこには3つの要素があるのではないかという結論に至りました。

それは、教養、感性、そして想像力です。

教養

1つ目は本の中でも紹介されていたように、教養です。

小学生の頃学習するような、国語算数理科社会、そして音楽や美術、体育など、私たちは当たり前に学習してきましたが、これこそが世界を構成するものなのだと著者は言います。

詳しくは書籍を読んでいただきたいのですが、教養や知識は世界の素晴らしさに気づくスタート地点となります。

感性

さらにプラスして、私自身は感性が必要だと思います。

人間のコミュニケーションは機微に富んでおり、わずかな表情の変化や間の取り方に膨大な情報量が含まれています。

その行間を読むこと、相手の気持ちを汲み取ること、そこに含まれた意味を感じ取ること、これらはすべてその人の感性に左右されると言えます。

感性が高い人ほど、人からの贈り物に敏感で、感謝できる気がします。

想像力

そして想像力です。

この書籍を読んでいるとき、私は小学生の頃に教頭先生が行ったスピーチを思い出しました。

いつもなら校長先生が話すところでしたが、普段は目立たない教頭先生のお話だったので余計に印象に残っています。

教頭先生のメッセージは簡潔でした。

「皆さんに身につけて欲しいのはたった1つ、想像力です。」

そう伝えられました。

教頭先生は、その理由として「想像力があれば争いは消えるから」と言っていました。

「これをやったら、このあとどうなるだろう?これを言ったら、あの人はどう思うだろう?」

こんなふうに一人一人が考えることができれば、とても良い世界になります。

これが教頭先生の言葉でした。

当時は言葉通りに受け取りましたが、大人になるにつれてその言葉の意味と難しさを実感していきました。

受け取り上手は人はきっと想像力があるのだと思います。

なぜ相手がこれをくれたのか、なぜ今なのか、これを用意するためにどれほどの時間を費やしたのか、どれほど悩んだのか…。

きっとこんな風に想像できるのではないでしょうか。

だからこそ、心から喜べるし、それはストレートに相手にも伝わり、嬉しい気持ちにさせるのだと思います。

受け取り上手になろう

受け取り上手な人は何が違うのか…。私自身受け取り下手なので、この点は非常に関心がありました。

「世界は贈与でできている」という本からは、頭を殴られたくらいの衝撃を受けましたし、著者の言うように周りを見渡してみると、感謝すべきことが山ほどあることに気づきます。

受け取り上手な人は、傍目にはなんだか羨ましく感じてしまいますが、深い理由があったのだと思えば納得できますし、自分もそうなりたいと思えますよね。

まとめ

ということで今回は、受け取り上手になるための要素を考察、ご紹介しました。

教養、感性、想像力、いずれもを身に付けることで相手が喜ぶような受け取り上手になれるのではないでしょうか。

「世界は贈与でできている」はとても良い本だったので、もしご興味を持たれたらぜひ一読してみてくださいね。

それでは今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

この記事がどなたかの役に立てば嬉しいです。


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